地球上を美しく彩どり、私たちの生活を守ってくれている樹木には、大きく[針葉樹][広葉樹]の2種類に分けられます。
木材の性質は重さ・硬さ・強度で表すことが多いですが、これらには植物の細胞組織レベルの理由があるのです。
それぞれの特徴があるため、薪としての燃え方ももちろん異なります。
ここでは樹木の外見・内部構造・生育区域をもとを比較し、薪としての特徴をお伝えします。
=最もわかりやすい特徴=
*外見を比べてみましょう!
針葉樹はその名の通り、《針のように尖った形》が一般的です。
薪界の代表ではスギ・ヒノキ・マツが有名です。
クリスマスツリーに使われるモミの木のように、針葉樹の《幹は真上に真っすぐに成長し、円錐型の樹形》、冬でも葉が落ちない《常緑樹》です。
一方、広葉樹は《平らで楕円》の葉の形をしています。
樹形はサクラの木のように《幹は太く、枝は分かれ、全体的に丸い形》で、冬には葉がおちる《落葉樹》です。
薪界の代表はクヌギ・ナラ・ケヤキ・クス・アカシア・クリ・カキ…とたくさんあります。
それもそのはず、なんと広葉樹は20万種類もあるのです。
針葉樹は500種類ほどですが、広葉樹の祖先は針葉樹にあたると考えられているそうです。
さらに広葉樹の中には常緑の《照葉樹》と呼ばれる種類があり、薪でも人気なシイ・カシが該当します。
照葉樹の特徴は《光沢のある深緑の葉》をつけており、亜熱帯地域に多く生育しています。
*内部構造は?
見分けるポイントは外見だけではなく、細胞・組織構造も全く違います。
針葉樹は細胞組織の構造が単純で、広葉樹は組織が複雑で細胞種類も多いです。
樹木には細胞組織の間に空気が通る穴が無数にありますが、この空隙率(細胞と空気の隙間の割合)の差が木材の強度の差となるわけです。
針葉樹は細胞密度が低いためこの穴が多く(=軽く・やわらかい)、広葉樹は密度が高いため穴は少なめ(=重く・硬い)です。
*生育区域も異なる!
世界的に広葉樹は温暖地域、針葉樹は寒冷地域に分布しています。
熱帯地域では広葉樹林が発達しますし、大規模な針葉樹林が広がるのは寒冷地。
また標高が高い場所にも針葉樹は生育しています。
日本にはどちらも分布していますが、日本では昔から人工林として針葉樹の植栽が進められてきました。
スギ、ヒノキ、カラマツが植林として有名ですね。
=薪として=
キャンプ場で売られている薪の大半が、人工林として安価に手に入りやすいスギなどの針葉樹です。
針葉樹は油分や空気が多く含まれているので、着火が簡単で焚き付けに適していますが、
勢いよく燃えるため、火持ちはあまりよくありません。
広葉樹は幹の密度が高いため空気が少なく、着火はしづらいですが、一度火が着くと大変火持ちがよいです。
また油分・ヤニが少ないため、煙も少なめ。火力も安定してるので、焚火料理にもオススメです。
=まとめ=
Maki no Penでは、ゆっくり穏やかな炎を楽しんでいただきたいため、焚き付け用に針葉樹、メインは広葉樹の薪での焚火を推奨しています。
広葉樹も樹種によって、火持ち・着火性・香りが異なります。
次回はこちらを比較します!
コメント